月曜日の08:06にホームに降りて、後ろを振り返ると見たことのある顔があった。
高校の同級生だった、確か一年生の時に同じクラスだった(はず)。
濃い色のスーツに、白いシャツ、革靴、ノーネクタイ
(おそらく職場に行ってからしめるのだろう、蒸し暑い日だったから通勤途中ぐらい外したって責めるべきことでもない。)
見るからに堅い所に努めているい出立ちである。(役所とか銀行とかそんなところだ)
彼はラグビー部で、陸上部であった私とはグラウンドでよく出会っていたはずである。
彼がどこの大学に行ったかも覚えていないし、高校の卒業後会った記憶もない。
もちろん、連絡先なんか知らなかった。
「あれ、+9?」(二十歳以前の友達は基本的に、僕のことをファーストネームで呼ぶ。)
「おう、Y田」
Y田は爪先から、頭のてっぺんまで一瞥した。その表情に、一瞬困惑の色が見えた。
そりゃそうだ。長髪に、革のジャケット、革靴はいて、ハードケースのウクレレを持っているヒトがまともである確率なんて低い。
「お医者さんじゃなかったけ?」
「一応(そんな答えがあるのかと自分で笑える)」
「そうなんだぁ」
と、自分の近況を簡単に説明(いまは研究でアメリカにいるところ)した。ちょっと、安堵のしたようだ。
(風貌からいって、道を外れていても何ら不思議じゃないわけだし。)
そうなると、時間の空白があっても話せるのが同窓生の面白いところ。
Y田は地方銀行に勤めているらしい。「もう、社会人10年目だ」といっていた。薬指に指輪をしているから、結婚もしているのだろう。
三カ所転勤して、次の春には異動になるかものような話をしていた。
Y田の務める地方銀行には同期が八人もいるらしい(そんなにいたら毎日同窓会気分だな)
そういえば僕も高校の同期は4人いたはず、一人が最近結婚したと人伝えに聞いた。
その一週間の間に、三回ほど会った。S田が留学したとか、K村とはクラス会で飲んだとか。
そんな話ばかりだ。
今思えば、不思議だが同期でもっとも有名な江尻慎太郎(野球選手、横浜)の話は出なかった。
横浜ベイスターズの不振は関係ないとおもう。
金曜日、歩きながら話していて、連絡先も交換せずに別れた。
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